四字熟語


哀哀父母 あいあいふぼ
子を生み育てて苦労を重ねてくれた父母。苦労を重ねて死んだ父母の死と、その恩に報いることができなかったことを悲しみ嘆き、親を慕う情を表した語。

 

合縁奇縁 あいえんきえん
人と人の気が合うのも、合わないのも全て不思議な縁によるものだという事。頻出語。

 

哀毀骨立 あいきこつりつ
親との死別をひどく悲しむこと。悲しみのあまりやせ細り、骨と皮ばかりになること。(1級)

 

愛及屋烏 あいきゅうおくう
愛屋烏に及ぶ。愛憎の情はその人だけでなく、その人に関係するものにまで及ぶ。その人を愛するあまり、その人の家の屋根に止まっている烏さえも愛おしくなること。

 

悲矜懲創 あいきょうちょうそう
懲罰を与えるには、相手を思いやる情が必要であること。罰はその罪を悔い改め、人生に新たな道を開くためのもので、悲しみ哀れみの心をもって行うべきことをいう。

 

哀鴻遍野 あいこうへんや
敗残兵や難民がいたる所に見られる惨澹たるさま。哀しげに鳴く鴻雁が野原にあふれる様子を流浪する兵士や難民にたとえたもの。

 

相碁井目 あいごせいもく
何事につけても人の実力は上下さまざまであること。囲碁で相碁というのは実力がほぼ同等の二人が打つハンデなし・同じ条件の真剣勝負のことである。井目というのは二人の実力に大きな差がある時に、弱い人が初めから九目に自分の石を置いてから勝負する『ハンデ戦』のことである。対等な条件で碁の勝負ができる人もいれば、ハンデを付けなければ勝負にならない人もいる。そのことから、人間の物事の実力には、何でも上下や巧拙(上手い・下手)があるという意味となった。頻出語。

 

哀糸豪竹 あいしごうちく
悲しい音をだす琴と力強く明るい音をだす笛。人を感動させる見事な管弦。

 

愛執染着 あいしゅうぜんちゃく
男女の愛欲の執着。

 

哀訴嘆願 あいそたんがん
なりふりかまわず、心の底 から願い出ること。

 

愛多憎生 あいたぞうせい
度を過ぎて愛情を受けることは第三者の憎しみをかい、身の破滅のもと。人の愛情に甘え過ぎてはいけないということ。

 

哀悼痛惜 あいとうつうせき
人の死を悲しみ惜しむ気持の伝統的表現。

 

鞋韈之行 あいべつのこう
わらじやたびをはいて旅行 すること。

 

愛別離苦 あいべつりく
親子・兄弟・夫婦など愛する者と生別・死別する悲しみや苦しみ。八苦の一つ。

 

曖昧模糊 あいまいもこ
物事の本質や実体が、ぼんやりして何かはっきりしない様子。(1級)

 

哀鳴啾啾 あいめいしゅうしゅう
鳥や虫の鳴き声の悲しそうなこと。(1級)

 

愛楊葉児 あいようように
やなぎの葉を愛する幼児という意味。幼児が黄色く色づいたやなぎの葉を見て黄金と思い込み大切にするということから、浅い知識のままで、真理を追究しようとしないこと。浅い知識のままで満足することを戒めた仏教語。

 

阿吽二字 あうんにじ
「阿」は最初の字音、「吽 」は最後の字音。この二字で最初と最後を表す。密教ではこれを一切の原初と窮極を象徴するものとする。

 

阿吽之息 あうんのいき
 一緒にひとつの事を成し遂げるのに互いの気持ちがぴったりと合うこと。呼吸が合う。息が合う。


青息吐息 あおいきといき
常に困ったときに出す元気のないため息。また、そのため息のでる状態。

 

悪衣悪食 あくいあくしょく
粗末な衣服と粗末な食べ物。豊かでない生活のたとえ。

 

悪因悪果 あくいんあっか
悪いおこないが原因となって悪い結果の生ずること。

 

悪逆非道 あくぎゃくひどう
人の道をはずれた邪な行い。「悪逆」「非道」それぞれが同様の意味を持ち、重ねて言うことで意味を強めた言い方。極悪非道、悪逆無道などのようにも言う。

 

悪行無道  あくぎょうむどう  比類のないほどの 人の道をはずれたひどい行い。道徳に背く残酷な行為。

 

悪事千里 あくじせんり
悪事千里を走る。悪いことはどんなに隠してもたちまち評判になり、世間に知れ渡ってしまうということ。

 

悪戦苦闘 あくせんくとう
死にものぐるいの苦しい戦い。困難な状況の中で苦しみながら努力すること。

 

悪人正機 あくにんしょうき
人間は如来の本願にすがってこそ救われる。自分を悪人と思う人は、まさに本願他力の正しい機会を得ているという意味。

 

握髪吐哺 あくはつとほ
人材を得ようとして努めること。また、すぐ人に会うこと。どんな時にも客人を待たせない努力。春秋時代、周公旦は食事中でも食べ物を吐き出し、入浴中でも濡れた髪を握って、面接を求める人にはすぐに面会して、すぐれた人材の登用に努めた故事から。(1級)頻出語。

 

悪婦破家 あくふはか
悪妻は夫の一生をだいなしにし、家庭を壊すということ。

 

悪木盗泉 あくぼくとうせん
どんなに苦しくても道に背くようなことはしない、してはならないという教え。また、不義、悪事には決して近付くな、ということ。「盗泉」は泉の名前で、孔子はその名前を嫌い、渇しても盗泉の水を飲まずと言って飲むことがなかった。

 

悪魔調伏 あくまちょうぶく
人に害を なす化け物を、祈祷によって人間の意に従わせること。

 

阿衡之佐 あこうのさ
天子を補佐する賢臣、名宰 相のたとえ。中国の殷の湯王が宰相の伊尹(いいん)をこう称したところからいう。

 

浅瀬仇波 あさせあだなみ
思慮が浅い人は、気にする必要がないどんな小さな出来事でも大騒ぎすることのたとえ。深い淵より浅瀬のほうが激しく波が起こることから。

 

浅茅生宿 あさぢがやど
荒れ果ててちがやが茂っている宿。

 

葦花赤毛 あしばなあかげ
馬の毛色の名前。少し赤ばみ黄色を帯びた灰色の馬。

 

鴉雀無声 あじゃくむせい
ひっそりとして声ひとつないこと。静まりかえっている形容。からすやすずめなど鳥の鳴き声のない意から。(1級)

 

阿修羅道 あしゅらどう
強い闘争心と猜疑、嫉妬、 執着の心をいう。地獄、餓鬼、畜生、人間、天上と並んで六道のひとつとされる修羅道の世界。

 

阿世曲学 あせいきょくがく
世に認められた正しい学問の道理を曲げて、権力や世間、時勢に気に入られるようにへつらうこと。曲学阿世。

 

唖然失笑 あぜんしっしょう
突然の出来事に驚いて、あっけにとられて、思わず笑ってしまうこと。

 

鴉巣生鳳 あそうせいほう
愚かな親にすぐれた子が生れるたとえ。また、貧しい家にすぐれた人物が生れるたとえ。鴉(からす)の巣に伝説の瑞鳥である鳳凰が生まれるという意味から。(1級)

 

可惜身命 あたらしんみょう
体や命をいとおしむこと。

 

遏悪揚善 あつあくようぜん
悪い行いには罰則を与えて禁止し、善い行いには褒賞を与えて奨励すること。(1級)

 

悪漢無頼 あっかんぶらい
悪いことや乱暴なことなどをする男性。

 

悪鬼羅刹 あっきらせつ
恐ろしい魔物のたとえ。

 

悪口雑言 あっこうぞうごん
口にまかせて様々に悪口をいいまくること。またその言葉。

 

阿鼻叫喚 あびきょうかん
悲惨な状態に陥り、泣き叫んで救いをもとめるようすのたとえ。非常に無残でむごい様子のこと。「阿鼻」は仏教の八大地獄の一つで最下層にあるとされる阿鼻地獄、または無間地獄のことで、そこに落ちたものが様々な苦痛を受けて泣き喚くということから。頻出語。

 

阿鼻地獄 あびじごく
仏教の八大地獄の一つでで、最も奥深くにあり 、最も苦しい地獄。転じて、非常に悲惨な境遇。

 

阿附迎合 あふげいこう
相手の機嫌をとり、気に入られようと努めること。

 

阿付雷同 あふらいどう
自分の定見がなく、みだりに他人の説に同意して、へつらい従うこと。
 
雨栗日柿 あまぐりひがき
雨の多い年は栗がよく実り、晴れの日の多い年は柿がよく実るということ。

 

蛙鳴雀躁 あめいじゃくそう
役に立たない議論や、内容に乏しく下手な文章。(1級)

 

蛙鳴蝉噪 あめいせんそう
カエルや蝉がやかましく鳴き立てるように、ただやかましく騒ぐこと。うるさいだけで役に立たない議論や余計な表現が多い稚拙な文章のこと。(1級)頻出語。

 

阿爺下頷 あやあがん
物事を見分けることができない愚かな人のたとえ。または、間違いのこと。愚かな人が、戦死した父親の遺骨を探しに戦地に行き、馬の鞍(くら)の破片を父親の下あごの骨と思い込んで大切に持ち帰ったという故事から。(1級)

 

阿諛迎合 あゆげいごう
相手の気に入るように、おもねりへつらうこと。

 

阿諛傾奪 あゆけいだつ
権力者に媚びて他人を失脚させ、地位などを奪うこと。(1級)

 

阿諛追従 あゆついしょう
こびへつらうこと。相手に気に入られようとしてお世辞を言ったり相手の言うことに従ったりして機嫌を取ること。(1級)

 

阿諛追随 あゆついずい
相手の気に入られようと、こびへつらうこと (1級)

 

阿諛便佞 あゆべんねい
口先でへつらって、ずるがしこく人の気に入るように立ちふるまうこと。(1級)頻出語。

 

阿諛奉承 あゆほうしょう
身分や権勢のあるものに媚び諂うこと。(1級)

 

阿轆轆地 あろくろくじ
物事がつまづいたり止まったりせずに進んでいくこと。または、詰まることなく、次から次へと言葉を発すること。車がくるくると回るように停滞することがない様子という意味。阿漉漉地とも書く。(1級)

 

暗雲低迷 あんうんていめい
今にも雨が降り出しそうな場合のように危険なよくないことが起こりそうな気配。不穏な情勢。

 

晏嬰狐裘 あんえい(の)こきゅう
高い身分にありながらも倹約に努め、職務に励むこと。人の上に立つ者の心得を説いた言葉。中国の春秋時代の宰相「晏嬰」は、一つの高級な狐の衣を三十年間着続けて、国を治めることに尽力したという故事から。(1級)


安閑恬静 あんかんてんせい
問題や心配事などがなく、ゆったりとした静かな様子のこと。(1級)

 

安居危思 あんきょきし
安きに居りて危うきを思う。平和なときにでも、最悪な事態を想定して備えておくことが大切であるという戒めの言葉。居安思危(きょあんしき)。

 

安居楽業 あんきょらくぎょう
今の地位や立場などに満足して、楽しみながら仕事をすること。または、よい政治が行われ、人々の生活が安定していること。

 

暗愚魯鈍 あんぐろどん
愚かで鈍く道理に暗いこと。

 

暗香蓊勃 あんこうおうぼつ

どこからかともなく、良い香りが盛んに漂ってくるさま。

 

按甲休兵 あんこうきゅうへい
武装を解いて、戦いや争いをやめること。

 

暗香疎影 あんこうそえい
どこからともなく漂いくる花の香りと、月光などに照らされて、まばらに映る木々などの影の意。多く梅の花や梅の木についていう。

 

暗黒時代 あんこくじだい
文化や道徳の堕落した時代 。また、戦乱の時代などをいう。

 

晏子之御 あんしのぎょ
低い地位に満足して得意がる小人物。また、主人の権威を笠にきて威張ることのたとえ。晏嬰の御者が、宰相の御者であることを得意にしていたのを、その妻が恥じて離縁を求めた。御者は大いに恥じて精励し、晏嬰に認められて、大夫に出世したという故事から。

 

晏子高節 あんしのこうせつ
脅しや暴力に屈しない気高い志のこと。(1級)

 

安車蒲輪 あんしゃほりん
老人をいたわり、大事にすること。また、賢者を優遇してもてなすこと。

 

安常処順 あんじょうしょじゅん
平穏な日々に慣れ、順境に身をおく状況。無風状態の平和でのどかな暮らしをいう。

 

安心立命 あんしんりつめい
心を安らかにして身を天命にまかせ、どんなときにも動揺しないこと。人力のすべてを尽くして身を天命にまかせ、いかなるときも他のものに心を動かさないこと。「あんしん」は「あんじん」、「りつめい」は「りつみょう」「りゅうめい」「りゅうみょう」とも読む。

 

按図索驥 あんずさくき
図を按じて驥を求む。実際には役に立たない意見ややり方のたとえ。生きた実物の馬を知らないで、名馬を絵や書物の知識だけで見つけようとする意から。(1級)

 

按図索駿 あんずさくしゅん
実際には役に立たない意見ややり方のたとえ。また、決まったやり方にこだわり融通のきかないことのたとえ。生きた実物の馬を知らないで、名馬を絵や書物の知識だけで見つけようとする意から。

 

黯然銷魂 あんぜんしょうこん
悲しみや愁いに打 ち沈むさま。悲嘆にくれ悄然として魂が抜けたような状態をいう。

 

暗箭傷人 あんせんしょうじん
ひそかに人を陥れたり、中傷したりすること。

 

暗送秋波  あんそうしゅうは
ひそかに秋波を送る。こっそり取り入ること。女性が色目を使うこと。表には出さず陰で悪だくみをすること。

 

安宅正路 あんたくせいろ
仁と義のこと。「安宅」は住み心地の良い家のことで、安らかな身の置き場の意から仁のたとえ。「正路」は人の歩むべき正しい道という意から義のたとえ。

 

暗澹冥濛 あんたんめいもう
暗くてはっきりせ ず、先が見えないようす。前途に希望のないことのたとえ。

 

暗中飛躍 あんちゅうひやく
人に知られないように秘密のうちに策動・活躍すること。

 

暗中模索 あんちゅうもさく
手がかりや糸口がつかめないまま、あれこれと考え、やってみること。暗い場所で手の感触のみを頼りに手探りで探し物をするという意味から。頻出語。

 

暗闘反目 あんとうはんもく
互いに敵意を表面に現さないで争うこと。ひそかににらみあうこと。

 

暗渡陳倉 あんとちんそう
策略をもって相手を迷わせ ること。転じて男女が密かに通じあうたとえ。

 

安如泰山  あんにょたいざん
安きこと泰山の如し。 泰山のように微動だにしない安定したさまをいう。

 

安寧秩序 あんねいちつじょ
世の中が平穏で公共の安全や社会の秩序が保たれていること。やすらかな状態。

 

安穏無事 あんのんぶじ
穏やかで、事件や事故などがないこと。

 

按部就班 あんぶしゅうはん
文章の構成に応じ て語句を選択して使用すること。順序を追って実行する。

 

安分守己 あんぶんしゅき
おとなしくして自分の仕事をして己の分際、本分を守る生き方のこと。身の程をわきまえ、高望みをしないこと。

 

按兵不動 あんぺいふどう
兵を按じて動かず。兵隊をじっとおさえて進めない。しばらく様子を見て機を待つこと。

 

安歩当車 あんぽとうしゃ
貧乏に安んじて我慢するたとえ。誰でも歩くよりは車に乗るほうがいい。しかし、買えるほど財産がないから車のかわりにのんびり歩こうということ。
 
安楽浄土 あんらくじょうど
現実の世界のような苦悩はなく、一切の心配やけがれなどもなく、安心して楽しく生活できる清浄な国土。