四字熟語


涇以渭濁 けいいいだく
濁っている川と澄んでいる川を比べてみると濁っている川が余計濁って見えること。

 

経緯万端 けいいばんたん
物事が入り組んでいて、解決策の糸口がつかめないこと。

 

鯨飲馬食 げいいんばしょく
鯨が水を飲むように多量に酒を飲み馬のように大食すること。

 

慶雲之瑞 けいうんのずい
めでたい雲のしるしの五色。太平のまえぶれ。

 

閨英闈秀 けいえいいしゅう (いは環境依存文字で門構えに韋。)
学問や才能にすぐれた女性のこと。(1級)

 

形影一如 けいえいいちにょ
仲が良い夫婦のこと。または、心の善悪が行動に出ること。 体と影は離すことが出来ないように深く結びついた関係ということから。

 

経営惨憺 けいえいさんたん
いろいろなことに苦心し、心を悩ませながら計画して営むこと。(1級)

 

形影相弔 けいえいそうちょう
誰一人訪れる人もなく、孤独で寂しい様子。自分と自分の影とが互いに哀れみ、慰め合う意。

 

形影相同 けいえいそうどう
形が曲がっていれば影も曲がることから、心が正しければ、行いも正しいというたとえ。心の善悪が行動に出ること。

 

形影相憐 けいえいそうりん
自分で自分自身を哀れむこと。自分と自分の影とが互いに哀れむ意。

 

繋影捕風 けいえいほふう
不可能なこと。とりとめがなく、当てにならないこと。影をつなぎとめて、風を捕まえるという意。

 

継往開来 けいおうかいらい
先人の事業を受け継ぎ、未来を切り開く。過去のものを継続し、それを発展させながら将来を開拓していくこと。

 

傾蓋知己 けいがいのちき
以前からの親友のように、初めて出会った者同士がすぐに親しくなること。

 

形骸之内 けいがいのうち
体の内部。心・精神・道徳などを言う。

 

形骸之外 けいがいのそと
体の外面。

 

計画倒産 けいかくとうさん
経営に行き詰った会社を計画的に倒産させること。会社設立時点から、あらかじめ倒産させることを計画して詐欺を目的として行われる場合もある。

 

傾家蕩産 けいかとうさん
一家の財産を使い尽くし、家をつぶすこと。家産を食いつぶすたとえ。

 

蛍火乱飛 けいからんぴ
ほたるが乱れ飛ぶこと。 

 

桂冠詩人 けいかんしじん
英国で、王室が最高の詩人に与える称号。現在は終身制の名誉職で、年俸を与えられる。中世イタリアではその時代第一流の詩人は月桂樹を戴いたこともあるのでこの名が付いた。

 

鯢桓之審 げいかんのしん
鯨(くじら)が旋回して集まるような、大海の水深が深い場所のこと。

 

荊関之筆 けいかんのひつ
唐末の大画家である荊浩・関同の絵筆で描かれること。名画の趣とか、すぐれた風景を説明する言葉。

 

傾危之士 けいきのし
言葉や策謀で、国を混乱させ傾けて危うくする危険人物のこと。

 

軽裘緩帯 けいきゅうかんたい
軽い皮衣と、ゆるい帯。手軽な身支度。軽装。

 

桂宮柏寝 けいきゅうはくしん
桂の宮殿と柏の居室のことから、豪華で美しい宮室のたとえ。

 

軽裘肥馬 けいきゅうひば
身分が高く財産がある人の服装。または、常にとても富貴な様子。(1級)

 

瓊宮瑤台 けいきゅうようだい
玉を飾った御殿と玉をちりばめた高殿。立派な宮殿。

 

荊棘叢裏 けいきょくそうり
乱臣や逆臣が住んでいる家のたとえ。草むら中にひっそりと潜んでいるいばらという意味から。(1級)

 

荊棘銅駝 けいきょくどうだ
国が滅ぼされることを嘆くことのたとえ。(1級)

 

桂玉之艱 けいぎょくのかん
他の土地からやってきて、物価の高さで生活に苦労すること。戦国時代の遊説家の蘇秦が、楚の威王を訪れたところ、面会までに三か月も待たされてしまい、その間、宝玉より高い食べ物や香木より高い薪の値段に悩まされ、生活に苦労した故事から。(1級)

 

軽挙妄動 けいきょもうどう
事の是非を考えることなく、軽率に行動すること。頻出語。

 

鶏群一鶴 けいぐんのいっかく
鶏の群れの中の一羽の鶴という意味から、多くの凡人の中で極めて優れている一人の人物のこと。

 

鶏群孤鶴 けいぐんこかく
多くの中でずば抜けてすぐれているもの。

 

鶏犬相聞 けいけんそうん
鶏や犬の声があちこちから聞こえてくるという意から、村の人家が家続きになっていることをいう。

 

鶏口牛後 けいこうぎゅうご

むしろ鶏口となるも、牛後となるなかれ。大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって組織を動かした方がよいということ。戦国時代、蘇秦がこの言葉を用い、韓王に秦の属国になるより、たとえ小国だとしても一国の王のほうがよいと説得した故事から。

 

閨閤之臣 けいこうのしん
君主の側近の臣。奥方づきの家来のこと。

 

傾国傾城 けいこくけいせい
人の心を惑わし、国や城を傾けるほどの絶世の美女。

 

経国済民 けいこくさいみん
国をおさめ民をすくう。国を上手におさめ、人々の生活を安定させ、民を苦しみからすくう。経済だけでなく、政治的・社会的にも広い意味を持つ。

 

経国大業 けいこくたいぎょう
立派な文章、著作をほめていう言葉。また、国家を治めるための大きな仕事を指す。

 

傾国美女 けいこくのびじょ
一国の指導者が、国政など忘れるほどに心を引かれるほどの絶世の美女のこと。

 

傾国美人 けいこくのびじん
一国の指導者が、国政など忘れるほどに心を引かれるほどの絶世の美女のこと。

 

刑故無小 けいこむしょう
故意に犯した罪は小さな罪でも刑罰を与えること。故意による罪を罰するのに、その犯した罪が小さいということは問題にならないという意から。

 

荊妻豚児 けいさいとんじ
自分の妻子を謙遜して言う言葉。愚妻と愚息のこと。トゲのある妻に豚の児。

 

荊釵布裙 けいさいふくん
慎ましく質素な女性の服装のたとえ。梁鴻の妻の孟光が、節約のために荊のかんざしと布のもすそをいつも身につけていた故事から。(1級)

 

荊山之玉 けいざんのぎょく
秀才で聡明な人のこと。荊山は卞和が宝玉の原石を手に入れたという中国の山の名前で、その宝玉のように価値のある人物という意味から。

 

鶏尸牛従 けいしぎゅうしょう
大きな組織で上役の言いなりになるよりも、小さな組織で上に立つほうがよいということ。 戦国時代、蘇秦が韓王に、「秦の属国になるより、たとえ小国だとしても一国の王のほうがよい」といい説得した故事から。(1級)

 

瓊枝玉葉 けいしぎょくよう
天子の一族のこと。または、身分の高い家の子弟のこと。(1級)

 

経史子集 けいしししゅう
経書と歴史と諸子類と詩文集。昔の中国の書物の四分類。

 

瓊枝栴檀 けいしせんだん
徳の備わった人。また、すぐれた詩文のたとえ。(1級)

 

計日程功 けいじつていこう
日ならずして完成すること。進展が順調なので、完成の日を指折り数えることができるということ。

 

軽車熟路 けいしゃじゅくろ
軽い車でなれた道を行く。物事に熟知していて、その取り計らいに、こだわりのないさま。

 

閨秀作家 けいしゅうさっか
女性作家のこと。

 

霓裳羽衣 げいしょううい
虹のように美しい裳(も)や羽衣(はごろも)。天人や仙女などの着る衣。それに似た薄い絹などで作った軽やかで美しくい女性の衣装のこと。また唐の玄宗が、夢の中で見た天上の月宮殿ではの天人の舞楽にならって作ったと伝えられる楽曲。(1級)

 

卿相雲客 けいしょううんかく
公卿と殿上人のこと。または、高い身分の人のこと。

 

慶四郎燗 けいしろうかん
つけては上げ、またつけては上げる燗のつけかた。慶四郎という男が、酒の燗をつけ、その具合を見るためにぬるいうちから一口づつ飲み、ちょうどよう燗がついたと思ったころには、酒はなくなっていたということによる。

 

敬神崇仏 けいしんすうぶつ
神を敬い仏を崇める。神も仏も尊ぶこと。

 

傾城傾国 けいせいけいこく
絶世の美女のこと。容姿の美しさで人の心が魅了されて、国や城が傾いて滅びてしまうという意。女性に罪はない。

 

経世済民 けいせいさいみん
世をおさめ民をすくう。世の中を上手におさめ、人々の生活を安定させ、民を苦しみからすくう。経済だけでなく、政治的・社会的にも広い意味を持つ。

 

景星鳳凰 けいせいほうおう
聖人や賢人が、世に現れるめでたい予兆。瑞兆の星と聖天子の到来を意味する鳳凰。

 

蛍雪之功 けいせつのこう
苦しい環境の中で勉学に励むこと。車胤は蛍の光で、孫康は窓の雪明かりで勉強していたという故事。

 

蛍窓雪案 けいそうせつあん
苦労して勉学に励むこと。 蛍の光と窓の雪明かりで勉強するという意。灯火の油を買うことができないほど貧しかった車胤と孫康の故事。

 

勁草之節 けいそうのせつ
強い風でも倒れない勁草のように、強い節操や意志があること。

 

傾側偃仰 けいそくえんぎょう
世間の片隅にいて、浮世任せの暮らしをすること。世の中の流れに逆らわずに、流れのままに生きること。(1級)

 

軽率短慮 けいそつたんりょ
結果がどうなるかを考えずに、軽々しく行動や物事を決めること。

 

継体之君 けいたいのきみ
正統を継いで天子の位を受け継ぐ君。皇太子。世継ぎの王子のこと。

 

軽諾寡信 けいだくかしん
軽諾は信寡し。安請け合いは、当てにならない。深く考えずに物事を簡単に引き受ける人は、約束を守ることが少ないためにあまり信用できないということ。

 

形単影隻 けいたんえいせき
ひとりぼっちで孤独なこと。独り身で助けてくれる人のいないこと。

 

軽佻浮薄 けいちょうふはく
言動に思慮が足りず、気持ちが浮ついている様子。または、信念がなく、言動が軽率で周りに流されやすいこと。軽窕浮薄とも書く。(1級)

 

敬天愛人 けいてんあいじん
天を尊いものとして崇めて、人を愛すること。西郷隆盛が好んでよく使い、揮毫した自身の学問の目的としていた言葉。

 

桂殿蘭宮 けいでんらんきゅう
とても美しい宮殿のこと。

 

軽薄短小 けいはくたんしょう
軽くて薄く、短く小さいもの。また、内容などが薄っぺらで中身のないさま。1983年『時代は「軽・薄・短・小」』といい当時の日本の生活・文化を表す言葉として流行った。対照語は重厚長大。

 

鶏皮鶴髪 けいひかくはつ
老人のたとえ。また、年をとって容姿が衰えたさま。 皮膚は鶏の皮のように張りを失い、髪は鶴のように真っ白。

 

繋臂之寵 けいひのちょう
君主の特別な寵愛を受けること。

 

軽描淡写 けいびょうたんしゃ
軽くデッサンし、あっさりと描くこと。転じて、重要問題や肝心なことにはあまり触れないこと。

 

 

繋風捕影 けいふうほえい
不可能なこと。とりとめがなく、当てにならないこと。風をつなぎとめて、影を捕まえるという意。

 

掲斧入淵 けいふにゅうえん
適材適所でないこと。才能を発揮すべき所を誤るたとえ。木を伐る斧は山林でこそ役に立つが、これを持って川に入っても役には立たない意。

 

経文緯武 けいぶんいぶ
学芸と武術の両方を重んじて、政治の土台にすること。文武の両道を兼ねた政治の理想的姿。緯武経文に同じ。

 

刑鞭蒲朽 けいべんほきゅう
刑罰がなくなり、その鞭まで朽ちてしまったことから、世の中が平和に治まっていること。

 

軽妙洒脱 けいみょうしゃだつ
軽妙で洒脱 。軽やかでしゃれていること。俗っぽくなく、さわやかで洗練されて巧みなこと。また、そのさま。(1級)

 

鶏鳴狗盗 けいめいくとう
小策を弄する人や、くだらない技能をもつ人、つまらないことしかできない人のたとえ。また、つまらないことでも何かの役に立つことがあるたとえ。孟嘗君の函谷関の故事から。

 

形名参同 けいめいさんどう
部下の言った言葉(名)と実際の行動(形)とを照らし合わせて評価し、賞罰を与えるべきだとする考え方。

 

鶏鳴之助 けいめいのたすけ
妻が夫を影ながら支えること。鶏の鳴き声が聞こえて、夫が遅刻してはいけないと思って起こそうとしたが、実は聞き間違いで、まだ夜中だったという故事から。

 

形容枯槁 けいようここう
容姿がやつれていて、生気がないこと。(1級)

 

軽慮浅謀 けいりょせんぼう
あさはかで軽々しい考えや計略。対義語は深謀遠慮。

 

桂林一枝 けいりんのいっし
非常にすぐれていて、高潔な人のこと。または、貴重な人材や出来事。または、自身の出世を謙遜して言う言葉。桂の木の林の中にある枝の一本という意味から。

 

驚浪雷奔 けいろうらいほん
岸に打ち寄せる高波の激しさをたとえる。波頭を岩に激突させて散る高波は雷のような激しい音を立てながら走り去っては、また押し寄せる。

 

撃壌之歌 げきじょうのうた
古代中国の伝説の聖天子である尭帝が国を治めている時代に、世の中が平和であることを喜び、人々が歌った歌のこと。

 

激濁揚清 げきだくようせい
悪を取り除き、清らかな善を称揚すること。勧善懲悪。

 

戯作三昧 げさくざんまい
小説を作ることに没頭すること。または、遊びで小説を書くこと。

 

灰身滅智 けしんめっち
煩悩(ぼんのう)を断ち、身も心も無にして執着を捨てること。(1級)

 

外題学問 げだいがくもん
うわべだけの学問をあざけっていう語。書物の書名だけは知っているが、その内容はよく知らないえせ学問のこと。

 

結縁灌頂 けちえんかんじょう
多くの人々に仏道との縁を結ばせるために行う儀式。「灌頂」は頭に水を注ぎかける儀式で、仏道との縁を結ばせたり、僧侶が高い地位にのぼるときに行う密教の儀式。

 

血脈相承 けちみゃくそうじょう
師から弟子へと、仏の教えを受け継いで伝えていくこと。 仏教の言葉で、父親から子へと血を受け継いでいくことにたとえた言葉。

 

厥角稽首 けっかくけいしゅ
最も礼儀正しく、心のこもった敬礼をすること。(1級)

 

月下推敲 げっかすいこう
詩文の字句や表現を、あれこれ工夫をして、考え練ること。推敲に同じ。唐代、賈島が月の光に照らされた門を開ける動作を、「僧は推す月下の門」と表現するか、「僧は敲く月下の門」と表現するか、考えをめぐらせたという故事から。

 

決河之勢 けっかのいきおい
堤防を壊した水が一気にあふれ出るように、止めることの難しい、激しい勢いのこと。

 

月下氷人 げっかひょうじん
男女の間に入り、結婚の手助けをする人。仲人。

月下老人とは、唐の韋国(いこ)が旅先で、袋に寄り掛かり月の下で書を調べている老人に出会い、「袋の中にある赤い綱で男女の足をつなげば夫婦の縁が結ばれる。」と言われた故事。「結婚する運命の男女は小指を赤い糸で結ばれている」という伝説の由来ともされる。

氷人とは、晋の令孤策(れいこさく)が見た夢の話から来た言葉。令孤策は夢の中で、月の光る氷の上に立っていると、氷の下に人がいて、その人と話をした。策耽(さくたん)という占い師に夢の話をして占ってもらったところ、氷下は陰(女)、氷上は陽(男)、陰と陽が話し合ったのだから、あなたは結婚の仲立ちをするだろうと予言された。その翌日に土地の有力者から「息子の結婚の仲立ちをしてほしい」という依頼を受けた。結果、その結婚はうまくいった、という故事が由来。頻出語。

 

 

結跏趺坐 けっかふざ
仏教における坐法の一。あぐらをかき,左右のももの上に,反対の足を置き,足の裏をあおむけにして組むもの。座禅の正しい姿勢。(1級)

 

月下老人 げっかろうじん
縁結びの神のこと。または、男女の間に入り、結婚の手助けをする人、仲人のこと。唐の韋国(いこ)が旅先で、袋に寄り掛かり月の下で書を調べている老人に出会い、「袋の中にある赤い綱で男女の足をつなげば夫婦の縁が結ばれる。」と言われた故事。「結婚する運命の男女は小指を赤い糸で結ばれている」という伝説の由来ともされる。

 

橘詭変幻 けっきへんげん
不思議で奇異な様子に、さまざまに変化すること。(1級)

 

穴居野処 けっきょやしょ
家を建てず、穴に住まったり野原に住むこと。

 

絜矩之道 けっくのみち
人を思いやって正しい道に向かわせる道徳上の規範。恕(おもいやり)の道。

 

月卿雲客 げっけいうんかく
公卿や殿上人のこと。また、高位高官のこと。

 

刖趾適屨 げっしてきく (げっは環境依存文字で月リ。)(くは環境依存文字で尸彳婁。)
本末を転倒して無理にことを行うこと。(1級)

 

結縄之政 けつじょうのまつりごと
古代に行われた政治のこと。文字が存在しなかった時代の政治を行う上での意志の伝達や記録の方法で、大事には大きな縄の結び目を結び、小事には小さな縄の結び目を結んだということから。

 

月旦春秋 げったんしゅんじゅう
人の価値などを評価して批評すること。月旦は毎月のはじめの日、後漢の許劭がこの日に人物批評をした。春秋は孔子の批評が含まれる歴史記録。

 

月中蟾蜍 げっちゅうせんじょ
月に住むという伝説上のひきがえるのこと 。古代中国の英雄で弓の名手の羿が、崑崙山の西に住む西王母から不老不死の薬を得たが、それを妻の嫦娥が盗み、月に逃げてひきがえるになったという伝説から。(1級)

 

潔白清廉 けっぱくせいれん
心が清くて私欲がなく、後ろ暗いことのまったくないさま。ふつう清廉潔白。

 

月白風清 げっぱくふうせい
月白く風清し。静かで美しい秋の月の明るい夜の風情。

 

血脈貫通 けつみゃくかんつう
文章の構成に初めから最後まで一貫性があり、統一されていること。血液の流れが体の全てに行き渡るという意味から。

 

兼愛交利 けんあいこうり
人を区別なく広く愛し、互いに利益を与え合うこと。中国戦国時代の墨子の思想。

 

兼愛無私 けんあいむし
自他の区別なく、広く人を愛して区別がないこと。中国戦国時代の墨子の思想。

 

建安七士 けんあんのしちし
後漢の献帝の建安年間、曹操、曹丕、曹植らとともに文壇に重きをなした孔融、陳琳、王粲、徐幹、阮[王禹]、応[王昜]、劉楨の七人の詩人。その作風を建安体という。
 
言易行難 げんいこうなん
言うは易く行うは難し。言うだけなら簡単だが、実際に行うことは難しいということ。

 

牽衣頓足 けんいとんそく
つらい別れを惜しむことを言い表す言葉。戦地に行くことになった兵士の家族が衣服にしがみつき、足をばたばたさせて悲しむ様子。

 

犬猿之仲 けんえんのなか
ひどく仲が悪いこと。 犬と猿は相性が悪く、互いに敵視するとされていることから。

 

狷介孤高 けんかいここう
意志を曲げずに、他人と協力しないこと。(1級)

 

狷介固陋 けんかいころう
意志をかたく守り、頑固で他人の意見を受け入れないこと。

 

懸崖撤手 けんがいさっしゅ
勇気を出して思い切って物事を行うこと。または、一度死んで生き返ること。もとは仏教の言葉で、険しい崖から手を離すという意味で、それまでの考えを全て捨てて、心を無にして修行し、真の命をつかむことをいう。

 

狷介不羈 けんかいふき
意志を固く保って、なにものにも縛られないこと。(1級)

 

懸崖勒馬 けんがいろくば
懸崖勒馬を押さう。間一髪で危険を回避すること。(1級)

 

犬牙錯綜 けんがさくそう
犬の牙のように両国の境界が入り交じること。

 

犬牙差互 けんがさご
犬の歯のように食い違いになること。

 

減価償却 げんかしょうきゃく
企業が導入した機器・設備などの固定資産は経年に伴い、その価値が減少していく。その目減り分を経費として計上すること。

 

犬牙相制 けんがそうせい
二国の境界を犬のきばがかみ合うように入りくませて,互いに牽制(けんせい)させること。

 

懸河之弁 けんがのべん
奔流のようによどみなく話すこと。雄弁。

 

阮簡曠達 げんかんこうたつ
心が広く人柄がおおらかなことのたとえ。(1級)


権貴栄達 けんきえいだつ
栄えて権力を得、高い地位に進むこと。

 

牽強付会 けんきょうふかい
自分に都合がいいように、滅茶苦茶な理屈をこじつけること。牽強傅会、牽強附会とも書く。頻出語。

 

献芹之意 けんきんのい
人に物を贈るときの謙遜の意、言葉。

 

堅苦卓絶 けんくたくぜつ
苦しみに耐え抜く根性がある。人並み以上に抜きん出て忍耐心に富むこと。

 

賢君忠臣 けんくんちゅうしん
賢明な君主や、忠義を尽くす家臣。

 

懸軍万里 けんぐんばんり
軍隊が本隊を遠く離れて進軍すること。本隊と連絡のないまま奥に進んで行くこと。また、その軍隊。

 

元軽白俗 げんけいはくぞく
唐の元稹(げんしん)の詩は軽々しくて重厚さがなく,白居易の詩は卑俗で品がないという意。唐代の詩風を酷評した言葉。

 

剣戟森森 けんげきしんしん
気性が人をぞっとさせるほど激しくきびしいさま。武器が多く並んでいて、 人をぞっとさせる意から。

 

権限委譲 けんげんいじょう
自らの権限を他にまかせ、譲ること。

 

喧喧諤諤 けんけんがくがく
けんけんごうごう(喧喧囂囂)と、かんかんがくがく(侃侃諤諤)とが混同されてできた語で、本来は見出し語には出来ない、間違えて作られた言葉。あえて意味をつけると、大勢の人がくちぐちに意見を言って騒がしいさま。

 

喧喧囂囂 けんけんごうごう
多くの人が好き勝手に口やかましく騒ぐさま。また、やかましく騒ぎ立てて収拾がつかないさま。(1級)頻出語。

 

見賢思斉 けんけんしせい
賢を見ては、ひとしからんことを思う。賢人を見ては自分もそのような人になりたいと思うこと。

 

蹇蹇匪躬 けんけんひきゅう
労苦を重ねて君に尽し、自分の利害をかえりみないこと。(1級)頻出語。

 

拳拳服膺 けんけんふくよう
教えや言葉を大切にして、忘れないこと、肝に銘じること。(1級)

 

言行一致 げんこういっち
実際に口に出して言ったことと行動が同じであること。主張していることと行動が同じであること。

 

堅甲利刃 けんこうりじん
堅固なよろいと、鋭利な武器。転じて、強い兵力。

 

言行齟齬 げんこうそご
口で言うことと実際に行うことが、噛みあってない、言うこととやることが違う、ということ。言行不一致。(1級)

 

元亨利貞 げんこうりてい
各字の意味は、「元は発芽」「亨は成長」「利は開花」「貞は結実」。つまり自然(天)の循環を現している。倫理的、道徳的に正しい行いを心がければ、大いに望みもかなうこと。

 

堅甲利兵 けんこうりへい
非常に強い兵力のこと。

 

乾坤一擲 けんこんいってき(1級)
運命を賭して、のるかそるかの勝負をすること。文字通り一か八か。頻出語。

 

乾坤之徳 けんこんのとく
聖人の徳。聖人の徳は天地の徳に合するからいう。

 

堅塞固塁 けんさいこるい
非常に守りの堅い砦。 塞は大き目の砦、 塁は土塁。

 

厳塞要徼 げんさいようきょう
地勢が険しく、非常に守りの堅いとりでのこと。(1級)

 

妍姿艶質 けんしえんしつ
美しくなまめかしい容姿や魅力的な肉体を持つ女性の形容、讃辞。 妖艶な美人のこと。(1級)

 

懸車之年 けんしゃのとし
年老いて官職を辞すること。七十歳の別称。

 

言者不知 げんしゃふち
物事についてあれこれ論じたてるものは、実はその物事の本質をわきまえていない。

 

減収減益 げんしゅうげんえき
前の決算期に比べて当期の売上高、利益が共に減少する(している)こと。

 

堅守自盗 けんしゅじとう
自分が見張り番をしていて、自分が盗む。公金などを横領・着服するたとえ。

 

現状維持 げんじょういじ
現在の状態をそのまま保つこと。

 

玄裳縞衣 げんしょうこうい
姿の形容。転じて、つるの異名。黒のはかまと白い上着の意から。

 

言笑自若 げんしょうじじゃく
どのようなことがあっても、平然としているたとえ。

 

見性成仏 けんしょうじょうぶつ
人間各自が本来もっている自分の本性・仏心を見きわめて悟ること。すべての人が本来的に仏であることが体感としてつかみうることをいう。

 

堅城鉄壁 けんじょうてっぺき
堅固にできていて、容易に攻め落とすことのできない城の意。転じて。物事の非常に堅固なことにいう。

 

懸針垂露 けんしんすいろ
書法の基本をいう。。「懸針」は縦に引く画の終筆を払って針のように尖らすこと。「垂露」は、その筆の終わりをはらわずに筆を押さえて止める筆法。

 

兼人之勇 けんじんのゆう
人にまさる勇気。

 

厳正中立 げんせいちゅうりつ
厳しく公正を守り、どちらにも偏らない立場を守ること。

 

現世利益 げんせいりやく
信仰した結果がこの世において実り、欲望が達せられるということ。現世はげんせ、げんぜとも読む。

 

阮籍青眼 げんせきせいがん
三国時代の竹林の七賢の指導者的人物の阮籍は、俗世にこだわらない人であったが、気に入らない人物に対しては白眼で対応し、気に入った人物に対しては青眼で対応したという故事。白眼視が気に入らない人物を冷遇することをいうのもこの故事から。(1級)

 

乾端坤倪 けんたんこんげい
天の端と地の際。 天地宇宙の果て。(1級)

 

硯池法船 けんちほうせん
仏教の経文を写すこと。写経。

 

堅貞不屈 けんていふくつ
堅く貞節を守って屈服しない。女性の節操が堅く、誘惑やおどしにも屈しないたとえ。

 

懸頭刺股 けんとうしこ
熱心に勉学に励むこと。頭を縄で引っ張ったり股を錐(きり)で刺して眠気を覚ますことから。

 

捲土重来 けんどじゅうらい・けんどちょうらい
敗北や失敗によって一度は落ちた勢いを、再び取り戻して反撃することのたとえ。 一度静まった土煙が、再び巻き上げられるという意味から。巻土重来。頻出語。

 

犬兔之争 けんとのあらそい
犬がうさぎを追ってともに疲れて死んだのを百姓が拾ったところから、無用の争いをして第三者に利益を与えること。

 

見兔放犬 けんとほうけん
狩りをする時、兔を見つけてから犬を放って追わせても間に合う。転じて、失敗してから改めても決して遅すぎないということのたとえ。

 

堅如磐石 けんにょばんじゃく
堅きこと磐石のごとし。どっしりとした岩のように揺るぎない、不動のたとえ。

 

堅忍果決 けんにんかけつ

強い意志で堪え忍び、いったん決めると思い切って断行すること。また、そのような性質。


堅忍質直 けんにんしっちょく

何事にも我慢強く堪え忍び、飾り気がなくまっすぐな気性をしているさま。また、その性質。

 

堅忍不抜 けんにんふばつ
辛く苦しいことがあっても我慢して、ひたすら意志を貫くこと。

 

犬吠驢鳴 けんばいろめい
くだらない文章や、聞くだけ無駄な話のたとえ。ろばや犬の鳴き声のように、意味の無い話という意。(1級)

 

堅白同異 けんぱくどうい
中国、戦国時代に、公孫竜の説いた詭弁(きべん)的命題。堅くて白い石があるとき、「堅さ」と「白さ」とは、別個の認識であるが、存在としては一つのものである、という考え方の違いを論じるもの。

 

剣抜弩張 けんばつどちょう
抜刀し弓を引いた状態。今にも戦いがはじまりそうな、緊迫した情勢。また、書道で気迫がこもった激しい筆の勢いのことにも用いる。(1級)

 

犬馬之年 けんばのとし
自分の年齢を卑下して言う言葉。なすこともなく、いたずらに齢を重ねること。馬鈴のこと。犬馬之齢、犬馬之歯けんばのよわい。

 

犬馬之養 けんばのやしない
親に衣食を与えるだけで、敬意をこめて養わないこと。けんばのよう。

 

犬馬之労 けんばのろう
自分が主人や他人のために力を尽くして働くことを謙遜 けんそん していう語。犬や馬ほどの働きという意から。

 

見微知著 けんびちちょ
芽生えを見て、全体の姿をつかむ。ちょっとした手掛かり、ヒントから全体の方向や本質を見抜くこと。

 

顕微無間 けんびむげん
現れていることと微かなこととの間には全く区別がない。現象と本体とは一体で不離の関係がある。

 

見風使舵 けんぷうしだ
風向きを見ながら舵を取る。情勢をうかがって態度を決めるやり方。日和見主義。

 

厳父慈母 げんぷじぼ
しつけや態度の厳しい父親と、やさしく愛情にあふれた母親。他人の両親を敬っていう言葉。

 

言文一致 げんぶんいっち
日常に用いられる話し言葉に近い口語体を用いて文章を書くこと、もしくはその結果、口語体で書かれた文章のことを指す。

 

源平藤橘 げんぺいとうきつ
俗に日本人の系譜を遡ればほとんどが源平藤橘の4氏に行き着くとも言われる日本の本姓の代表。

 

兼并之徒 けんぺいのと
人の富を兼ね合わせて奪い取る連中。

 

権謀術策 けんぼうじゅっさく
巧みに人を欺くための謀のこと。

 

権謀術数 けんぼうじゅつすう
他人を騙しておとしめる策略のこと。特に、社会や組織などの集団の中において、他者をおとしめることで自分にとって都合がいい状況になるように仕向けて、地位や評価を上げる策略のこと。

 

見縫挿針 けんほうそうしん
すき間を見たら針をさす。ほんの少しの時間、空間を無駄にしないことのたとえ。

 

玄圃積玉 げんぽせきぎょく
美しい文章のたとえ。「玄圃」は崑崙山にあるという仙人の居所で、「積玉」は積み重なった玉。文章の美しさを多くの珠玉にたとえたもの。

 

肩摩轂撃 けんまこくげき
人や車馬の往来が激しく、混雑しているさま。都会の雑踏の形容。人の肩と肩が触れ合い、車のこしきとこしきがぶつかり合うほど混雑している意から。轂撃肩摩。(1級)

 

賢明愚昧 けんめいぐまい
賢くて道理に明るいことと、愚かで道理に暗いこと。

 

見毛相馬 けんもうそうば
外見だけで良否を決めること。転じて、表面だけ見て判断するのは間違いが多いというたとえ。

 

犬羊之質 けんようのしつ
才能のない生れつき。

 

絢爛華麗 けんらんかれい
華やかで美しく、きらびやかに輝く様子。

 

絢爛豪華 けんらんごうか
きらびやかに輝き、華やかで美しいさま。(1級)

 

見利忘義 けんりぼうぎ
利を見て義を忘れる。利欲に目がくらんで、道義を忘れる。儲けのためなら手段を選ばずにやる、あこぎな商売のやり方。

 

賢良方正 けんりょうほうせい
賢く善良で行いが正しいこと。また、その人。また、漢唐以降の官吏登用試験の科目の名。

 

彦倫鶴怨 げんりんかくえん
彦倫が北山から去り、俗人となっては、ツルも恨み悲しむだろうと、孔稚珪(こうちけい)が揶揄したこと。

 

牽攣乖隔 けんれんかいかく
お互いに思いやりながらも遠く離れ離れにいること。(1級)

 

牽連之親 けんれんのしん
血は繋がっているが遠い親類。

 

堅牢堅固 けんろうけんご
守りが非常に堅く、容易に破られたり動じたりしないさま。また、堅くてじょうぶなさま。

 

黔驢之技 けんろのぎ
自分の稚拙な腕前を自覚せずに示して恥をかくこと。また、見かけ倒しの劣った腕前・技量。けんろのわざ。(1級)

 

懸腕直筆 けんわんちょくひつ
書道の運筆で腕が自由に動かせる構え方。筆を垂直に持ち、腕や肘 ひじ を机から離してあげ、さらに肘を脇 わき から離して字を書くこと。

 

懸腕枕腕 けんわんちんわん
書道の書法には大きく二種あるということを表す。「懸腕」が腕を浮かせて肘を下につけない書法、「枕腕」が左手を机上に伏せ,筆を持った右手をその上にのせて書く書法。枕腕は細字を書くのに適する。